Claude CodeのSkillsでブログ記事の校正を自動化した話
目次
ブログ記事の校正、毎回めんどくさくない?
ブログ記事を書いたあとの「校正」って、地味にめんどくさいんですよね。誤字脱字はもちろん、表記ゆれとか、技術用語のスペルミスとか、一文が長すぎないかとか、チェックすべきポイントが意外と多くて。
最初のころは書いた記事をChatGPTやClaudeのWebに貼り付けて「校正して」とお願いしていました。でもこれ、毎回やるとなると結構手間がかかるんですよね。記事をコピーして、ブラウザに貼り付けて、プロンプトを書いて、結果を見て、修正して……。しかも毎回同じようなプロンプトを書いていることに気づきました。
「これ、Claude Codeのスキルにしてしまえばいいのでは?」
そう思って作ったのが、今回紹介する /proofread スキルです。
Claude CodeのSkillsとは
Claude Codeには「Skills」という仕組みがあります。.claude/skills/ ディレクトリに SKILL.md というマークダウンファイルを置くだけで、スラッシュコマンドとして呼び出せるようになります。
たとえば .claude/skills/proofread/SKILL.md というファイルを作ると、Claude Codeで /proofread と入力するだけでそのスキルが実行されます。
ポイントは、スキルの定義がただのマークダウンファイルだということ。プログラミング言語でロジックを書くわけではなく、「こういう手順でやってね」という指示書を自然言語で書くだけです。Claude Codeがその指示を読んで、適切なツール(WordPress MCPなど)を使って実行してくれます。
ちなみにMCP(Model Context Protocol)というのは、Claude CodeなどのAIツールが外部サービスと連携するための仕組みです。WordPress MCPを設定しておけば、Claude Codeから直接WordPressの記事を取得したり更新したりできます。今回の校正スキルもこの仕組みを活用しています。
APIを書く必要もないし、プラグインを開発する必要もない。マークダウンが書ければスキルが作れるんですよね。
校正スキルの設計: 5つの観点
校正スキルを作るにあたって、まず自分のブログ記事でよくやるミスを振り返ってみました。すると、だいたい以下の5パターンに分類できました。
観点1: 誤字脱字・変換ミス
これは定番ですね。「意外と」と「以外と」、「移行」と「以降」など、IMEの変換ミスに気づかないまま公開してしまうパターン。読み返しているつもりでも、書いた直後は脳が補完してしまってなかなか気づけないんですよね。
観点2: 表記ゆれ
「サーバー」と「サーバ」が混在していたり、「できる」と「出来る」が同じ記事内で揺れていたり。どちらが正しいかは記事のスタイル次第ですが、1つの記事内では統一したいところです。
観点3: 技術用語のスペル
技術ブログならではの問題です。「JavaScript」を「Javascript」と書いてしまったり、「GitHub」を「Github」と書いてしまったり。これは意外と目視では見落としやすいです。
観点4: 文章の読みやすさ
一文が80文字を超えていないか、同じ文末表現(「〜です。〜です。〜です。」)が続いていないか、接続詞の連続使用がないかなど。自分で書いていると気づきにくいポイントです。
観点5: 構成・内容
見出しの階層が飛んでいないか(h2のあとにいきなりh4など)、コードブロックに言語指定がされているか、導入と結びが整合しているかなど、記事全体の構成面のチェックです。
SKILL.mdの中身
実際に作ったスキルファイルがこちらです。.claude/skills/proofread/SKILL.md に置いています。
# ブログ記事校正スキル
WordPress の下書き記事を校正するスキルです。
## 引数
$ARGUMENTS には以下の情報を含めてください:
- 記事ID(必須)
- 校正の重点ポイント(任意。例:「技術用語のスペルを重点的に」)
## 手順
### 1. 記事の取得
- `wp_get_post` で `include_content=true` にして記事内容を取得する
- HTMLタグを読み取り、本文テキストを把握する
### 2. 校正チェック(5つの観点)
#### 観点1: 誤字脱字・変換ミス
- 誤変換(「意外と」↔「以外と」、「移行」↔「以降」など)
- タイプミス・脱字
- 句読点の抜け・重複
#### 観点2: 表記ゆれ
- カタカナ表記(「サーバー」vs「サーバ」、「ユーザー」vs「ユーザ」)
- 漢字・ひらがなの混在(「できる」vs「出来る」、「ため」vs「為」)
- 記事内で統一されているかをチェック
#### 観点3: 技術用語のスペル
- 正式な表記になっているか(「Javascript」→「JavaScript」、「Github」→「GitHub」等)
- バージョン表記の一貫性
#### 観点4: 文章の読みやすさ
- 一文が80文字を超えていないか
- 同じ接続詞の連続使用
- 同じ文末表現の3回以上連続
- 主語と述語のねじれ
#### 観点5: 構成・内容
- 見出しの階層が飛んでいないか
- コードブロックの言語指定漏れ
- リンク切れの可能性がある記述
- 導入と結びの整合性
### 3. 校正レポートの出力(重要度: 高/中/低で分類)
### 4. 修正の適用(ユーザーの承認後のみ)
見てわかるとおり、特別なことは何も書いていないです。「WordPress MCPで記事を取得して、5つの観点でチェックして、レポートを出力してね」という手順をマークダウンで書いているだけ。
大事なのは、チェック観点を具体例付きで書いているところです。「誤字脱字をチェックして」だけだとClaude Codeの判断任せになりますが、「意外と↔以外と」のような具体例を入れることで、どういうレベルのチェックを期待しているのかを伝えられます。
また、実際のスキルファイルには「注意事項」として「校正はあくまで提案。勝手に記事を更新しない」「ブログの文体を間違いとして指摘しない」といったガードレールも設けています。カジュアルな文体を「正しくない日本語」として修正提案されても困るので、こういう制約は大事なんですよね。
実際に使ってみる
使い方はシンプルです。Claude Codeで以下のように入力するだけ。
/proofread 10530
10530 は校正したい記事のIDです。WordPressの下書き一覧や管理画面から確認できます。
重点的にチェックしたいポイントがあれば、引数に追加できます。
/proofread 10530 技術用語のスペルを重点的に
実行すると、まずWordPress MCPで記事の本文を取得し、5つの観点でチェックしたあと、こんな感じのレポートが出力されます。
## 校正レポート: Claude CodeでWordPressの記事一覧を取得する方法
### 修正が必要(重要度: 高)
- 3段落目: 「Javacript」→「JavaScript」(スペルミス)
- 5段落目: 「Github」→「GitHub」(正式表記)
### 修正を推奨(重要度: 中)
- 全体: 「サーバー」と「サーバ」が混在 →「サーバー」に統一を推奨
- 8段落目: 「〜します。〜します。〜します。」→ 文末表現の3連続
### 検討事項(重要度: 低)
- 2段落目: 一文が90文字超え → 分割を検討
### 統計
- チェック項目数: 5
- 問題検出数: 5(高: 2 / 中: 2 / 低: 1)
レポートを確認して、「修正して」と伝えれば、Claude Codeが wp_update_post で記事を直接更新してくれます。もちろん、自分の判断で「ここは修正しないで」と個別に指示することもできます。
wp-postスキルとの連携
実はこのブログでは、記事作成自体もClaude Codeのスキル(/wp-post)で行っています。wp-postスキルには記事作成時のセルフレビュー機能が組み込まれていて、構成・内容のレビューと文章・表現のチェックを2ラウンド行ってから投稿する仕組みになっています。
じゃあ /proofread は要らないのでは?と思うかもしれないですが、使い分けとしてはこんなイメージです。
/wp-postのセルフレビュー: 記事を書いている最中の「書きながらチェック」。構成の大きな問題や明らかなミスを防ぐ/proofread: 記事が完成したあとの「仕上げのチェック」。細かい表記ゆれやスペルミスを潰す
料理にたとえると、wp-postのセルフレビューは調理中の味見、proofreadは盛り付け前の最終確認、みたいな感じですね。
また、/proofread は過去に投稿済みの記事にも使えます。「そういえばあの記事、ちょっと気になるところがあったな」と思ったときに、記事IDを指定してサッと校正できるのが便利です。
まとめ
Claude CodeのSkillsを使って、ブログ記事の校正を自動化してみました。
ポイントをまとめるとこんな感じです。
- APIを叩く必要なし: Claude Code自体がLLMなので、外部の校正APIを使わなくても文章の校正ができる
- スキルはただのマークダウン:
.claude/skills/proofread/SKILL.mdにチェック手順を書くだけ。プログラミング不要 - カスタマイズが簡単: 自分のブログでよくあるミスパターンを追加したり、チェックの厳しさを調整したりが自然言語で可能
- WordPress MCPとの連携: 記事の取得から修正まで、コピペなしで完結する
「毎回同じプロンプトを書いている」と感じたら、それはスキル化のチャンスかもしれません。自分だけの校正ルールをマークダウンに書き出して、あとはClaude Codeに任せる。この手軽さがSkillsの魅力だなと感じています。
今回は以上です!